Memo

シンデレラ_たかぐら

前々から決めていた言葉がある
ずっと 遠回りして 少しでも
一緒にいられる時を
お互いに触れていられる喜びを
今、この瞬間を大切にしてきた

『   』

0時を迎えた
お互い魔法は解けて
もう二度と会うことも許されない
元々誰にも許してなんてもらってなかった
理解もしてくらはしなかった
それでもいいと互いに思っていた
でも もう それも終わり

「本当に…好きだったアルよ…」
「うん…おれも愛してた…」

強く 苦しいほど 抱きしめ合った
ほんの数秒のコトだけど
とても長く思えた最後の抱擁

「それじゃあ…」
「あぁ、さようなら」
「ウン…さよなら」

この日が来るコトが分かっていたから
その時は 笑顔で別れようと決めていた

二人は元の帰る場所に向かって歩きだす
振り返らない
一度も振り返らない

おれは 私は
それで構わないと思ってる
だって 本当に愛してたし愛されてると
体で 全てで 感じてた
だから 振り返らない
「未練はない」と言えば嘘になるが
でも それでいい
だって 本当の愛を知った
心を手に入れた
幸せだった

それでいいんだ